Gary Fisher - The first and last name in mountain bikes.

Paragon

29erだけの進入角度
高さ1インチの突起物の上を走るスケートボードを頭に思い浮かべて欲しい。半径わずか1インチの車輪がこの突起を乗り越えるには、1インチ進むあいだに縦に1インチ上昇しなければならない。この割合はかなりのものだし、これだけ突起物への衝突角度が大きければ、ライダーの動きにおよぼす影響も測り知れない。しかし、これが20インチのBMXホイールになると、ホイールが同じく1インチ上昇するあいだに、4インチ前方へ進むことになる。スケートボードに対しては鋭く切り立った障害物も、BMXでは路面上のただの邪魔な凸面といったところだ。今度は26インチホイールだ。縦方向へ1インチの衝撃は前方へ6インチ進むあいだのできごとで、もはやライダーへの振動影響はほとんどないだけでなく、突起物がバイクのスピードを鈍らせることもほとんどない。ホイールは大きいほうが惰性を保てる。この理屈はフォークサスペンションのそれとも似ている。違う点といえば、サスペンションの設定にかかわらず、すべてのこぶ上で起こるということくらいだろう。タイヤのエア圧によって多少の程度の差はあるが、結果はタイヤサイズにかかわらず同じである。通常、オフロード=凸凹道なのだから、大きめのホイールが生み出す効果は、常に乗り心地の向上と繋がっている。前後とも大きなホイールを装備したなら、効果は2倍だ。フィッシャーの29erで走れば、大きなホイールの利点を、2通りで感じ取ることができるはずだ。ひとつは、バイクがよりスムースで快適に進むこと。2つめは、とりわけ荒れた路面で走行スピードが少し速まることだ。

より長い接地面を持つ29インチホイール
回転するホイールに装着されたタイヤの底部、常に路面と接触している面が接地面だ。ホイール径が26インチから29インチに増加すれば、この接地面は広くなる。これによるメリットは乗ってみればすぐ分かる。テクニカルな上りでは、ライダーの頻繁な体重移動が接地面にかかるプレッシャーにおよぼす影響は少なく、トラクションをキープできる。路面の凹凸が激しいコーナーでも、タイヤは障害物の上をスキップすることなく、常に接地した状態を保つので、コーナリングでも正確なハンドリングが可能だ。さらに、ぬかるみや砂地や雪上では、広い接地面が橇(かんじき)のような役割を果たし、タイヤは沈み込むことなく、それらの表面を浮かぶように走ることができる。

29er Angle of Attack