Gary Fisher - The first and last name in mountain bikes.

X-Caliber

26インチホイールと29インチホイールのハンドリング性の違いを知るには、慣性を含めた説明が分かりやすいだろう。ホイールが大きくなることで慣性との関係がどう変わるのか。これを正しく理解することで、フィッシャーの開発チームは29erバイクをG2フレームの26インチバイクなみに取り回しやすくすることに成功した。

ステアリングに要する力
29erにおいて現れる慣性由来の大事な作用のひとつが、ハンドリングに対するそれである。29erについてよく指摘される難点は、ハンドリングが鈍いということだ。たしかに大きいホイールは生み出される慣性も大きくなるため、ハンドルを切るのに必要な入力は、26インチバイクの30%も大きい。
しかし、フィッシャーの29erはジェネシス2ジオメトリーの論理を用いて、この点をクリアしている。オフセットの異なる何種類ものフォークを、代わるがわる29erに装着して試してみたのだ。
これらのフォークでブラインドテストを繰り返したトラヴィス・ブラウン、フィッシャーのスポンサーライダー、フィッシャー製品開発チームらが最終的に辿り着いた、29erに絶妙なオフセット量が51mmというものである。このオフセットで29erのトレイルは26インチバイクとほぼ同程度まで小さくなり、同等の俊敏性を持つハンドリング性を実現している。

29erは加速が悪い説のひとり歩き
加速性を決定するのは、ホイールの回転を速めるのにどれだけの負荷をかける必要があるかである。26インチと29インチのホイールでは、実はこの差は非常に微小なものであり、しかも実際のシチュエーションでは、ホイールの上にはバイクのその他の部分の重量、さらにはライダーという遥かに大きな重量がかかるわけだ。
何が言いたいのかというと、双方のホイールを加速させるのに必要な負荷の差を算出するには、ホイール、バイク、ライダーすべての重量をトータルとして考慮する必要があるということ。仮に、体重80kgのライダーが、ホイール径以外は全く同じスペックである2台のバイクに乗ったとして、26インチホイールバイクと29erで加速に要する負荷の差異は、わずか1%にも満たない程度しかないのだ。
ホイールが転がり続けるようとする惰性、凸凹道やぬかるんだ路面コンディションでの走破性、優れたコーナリング能力など、29erならではの利点の数々は、26インチホイールにほんのわずか劣るだけの加速性を補って余りある強みであることがお分かりいただけたと思う。

Moment of Inertia