
さのさかでのレースが終わり、すぐにバイクを梱包し、火曜の朝に上海に飛んだ。
今回はクロスカントリーのレースが金曜日になっていて、コース練習できるのは2日間だけ。「どんなコースが待っているのだろう」と上海からバスで移動すること4〜5時間、やっと山が見えてきた。
会場となる場所は、リゾート地(?)になるんだろうなぁ。もっともといった感じの別荘がズラリと並んだ高台や、湖で遊べる小さなテーマパーク・・・。その並びのちょっと豪華そうなホテルに到着した。
海外のホテルでは食事が問題なので、今回は自分でもしっかりと食料を持ってきた。でも今回は中華料理、ご飯類も出てきたので、とりあえずホテルで食べて軽く走りに出かけた。日が暮れそうだが外はまだまだ暑い。
2日目は、他の選手たちとコースの試走に行った。1周5〜6キロだが、暑さのため1周目を終えると、軽く脱水症状が起こるほどだ。すぐさまホテルに直行!とにかくクーラーや水、氷で体を冷やす。ここで、もぅ1周行くメンバーと、ダウンする選手とに別れる。僕はもぅ1周走りに行く。先ほどよりは全然走れる感じだったが暑い、異常に暑い・・・。
コースも半端なくキツイ上り、下りのオンパレード。ゆっくり1周して35分はかかってしまう。ゆっくりとはいえ、坂がきついのと、この暑さで心拍は上昇!この日は2周してコースを後にした。
3日目は、指示されている練習時間を無視して、早朝に練習に行く。暑い中をレース前日に走るのは体力を消耗するだけ。早朝に走って、後はしっかり体を休めた方がいいと判断した。他国のチームも同じことを考えていたようだ。試走を1、2、3周とこなし、だいぶコースに慣れてきたので、後は明日にむけて体を休めることにした。
そして当日。レースは午後からだというのに、高鳴る鼓動・・・。なんとか落ち着きを取り戻し、女子レースの結果を聞く。あとスタートまで数時間、レースのイメージを音楽を聴きながら頭で構想する。
この日も気温は高かったので、集中して短いアップを済ませ、スタートを待つ。自分に言い聞かせる「大丈夫、行ける。負けるな」と。
しかし、肝心のスタート合図が鳴らない。すると今度は、車が前から走ってくる。「???なんだ?」で突如「ピ〜!!」という笛の音でスタートを切った。
自分は周りに合わせスタートし、初めのシングルには5番手で突入!一人置いて前に山本幸平選手がいたので、まずはスタートダッシュ成功だ。
その後も、シングルとシングルの間で、山本選手の後ろにいる中国人選手が前に出ようとするが、山本選手が抑えていたので、後ろでマイペースで下る。1周が終わり、次の上りで山本選手が遅れたので、すかさず中国選手の後ろに着ける。中国選手2人対僕1人。中国選手の1人はペースをグイグイ上げ、見えなくなってしまった。先行するのは香港と中国。目の前の中国選手が何かトラブっているところをパスして前を追う。
しかし、2周目が終わり3周目に入った直後、後ろからもの凄い勢いで中国列車が1段2段と2人でアタックしてきた。
1人は先ほど抜かした選手、もう一人は後ろから追いついてきたようだ。こっちも必死で漕いで前の2人に少し追いつき、シングルを飛ばし1人に追いつく。香港選手がペースダウンしていると聞き、必死に漕ぐ。
シングルを飛ばしたためか、3周目の斜度がきつい上りでハンドルの押さえが効かなくなり、さっきは上れた場所も上れなくなってしまう。それでもバイクを押して走るしかない。前へ前へと進む。
そしてラスト周回、最後の力を振り絞る。後ろにジャパンジャージが少し見えた。竹谷選手だった。竹谷さんから「行けー!!」とゲキが飛ぶ。残り数キロ、フルダッシュで下りも漕いで腕もパンパン。
最後のゴール前100メートルのところで押さえが効かなくなり、藪の中に突っ込んだ・・・。チクチクと刺さるトゲがバイクと僕を放してくれない。でも出るしかない、ゴールはそこなのだ。無理矢理に体とバイクを引き上げ、フロントがパンクしたままゴールして座り込んだ。体とバイクには、トゲのついたツルが巻きついたままで血だらけ、回りの観客からはクスクスと笑いが聞こえた。
今年も勝てなかった悔しさがこみ上げてくる。でも涙は流さない。歯を食いしばり、現実を受け止めるしかない。
しかし、今回のレースで僕は変わった。本気になれます。今後のぼくを見守っていてください。応援ありがとうございました。